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先日、十日町市松代へ行ってきました。

今月の始めの休日に、年に1~2回(特に山菜取りの時季に)お邪魔している十日町の松代の方の親戚宅に行ってきました。前回春に行ったときに、「今年の秋頃には長年住み続けてきたこの家を離れ、子どもの住む地へ移住する」と言っていたので、築90年近く経つ家を最後に隅々まで見せてもらうことにしました。

まず玄関を入ると囲炉裏のある広間になっていて、玄関脇からの階段で広間の上の階へと上れるようになっています。そこは、冬の間保存しておく野菜や、縄を作る機械やむしろを編む機械、そば粉を作る石臼などがあり、材料のわらもたくさん積んでありました。さらに、その上の小屋裏部分へも上れるようになっていて、そこには冬の間作ったものを収納しておく場所になっていました。昔は囲炉裏で煮炊きをしている熱が上まで上がるので温かく、そこでタバコの葉やどくだみを乾燥させて農協へ卸していたそうです。特にわたしが立派だと感じたのはお座敷です。30cmくらいの欅の柱や50cmくらいの欅の梁が、表しになっていて、漆喰塗り壁や天井、建具、柱、梁 まで全てに漆が塗ってあり、襖は絵師が何日も泊まって描いた襖絵になっていました。お座敷の上にはまた別の階段で上り、今回初めて見せてもらった部屋がありました。ここは家族が多かったころは部屋として使っていたのですが、夫婦二人になってからは物置として使うようになったと聞きました。今ではお宝らしき物がたくさんあるとおじさんは言うのです。どうやら、おじさんのお父さんがなかなかの骨董好きでよく出掛けては気に入ったものを骨董屋で買って来たそうです。山と積まれた中からめぼしいものを何品か見せてくれました。山本五十六の若い頃の書や、狩野派の何とかの日本画などでしたが、わたしには書はなんと書いてあるのか分からず、絵は筆で繊細に描いてあることや、岩絵具だろうことしか分かりませんでした。残念ながら、おじ、おばが引っ越す頃には全て解体するそうです。この辺りは豪雪地で一晩にかるく1m降ることが毎年あるそうで、夜中に雪降しをしておかないと家から出られなくなってしまうとか。雪降しをしないとつぶれてしまうから、近所の迷惑にならないように解体するとおじは言っていました。94のおじさんと87のおばさんでよくここまで頑張ってこられたと感心しました。

  最後に奥さんがおばさんと前から約束していた「昔使っていたお膳」を見せていただき思い出に何組か頂いてきました。30人分のお膳セットは6人分ずつ大きな木の箱に収められていて、結婚式やお祝い事があるとそれを使い、漆の器はお湯で洗い、絹の布で拭いてまた収めたそうです。いただいた木の箱には絹の布まで入っていました。今度のお正月に出して使うのだそうです。

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